― 業者に頼む前に、まず自社で確かめられることがあります。必要なのはパソコンかスマートフォンと、無料で使えるAIだけです。
AIに会社を紹介してもらえるかどうかは、AIが御社について読める情報が、正しく・具体的に・そろって存在しているかでほぼ決まります。その状態を、次の10項目で確かめます。
- ① AIが御社を正しく説明できるか(事業内容・所在地・代表者)
- ② 「地域名+業種」で聞いたとき、名前が出るか
- ③ AIが根拠にしているページは、正しいか
- ④ AIのクローラーを止めていないか(robots.txt)
- ⑤ 大事な情報が「画像」ではなく「文字」で書かれているか
- ⑥ 「どこの、何の会社か」がトップと会社概要で分かるか
- ⑦ その会社にしかない一次情報(実績・数字・お客様の声・FAQ)があるか
- ⑧ 古い情報が残っていないか(料金・住所・数字・使っていないURL)
- ⑨ 構造化データで会社情報を伝えているか
- ⑩ 社名・住所・電話番号が、サイトの外でもそろっているか
10項目のうち、①〜③は「結果」、④〜⑩は「原因」です。①〜③で気になる点があれば、④〜⑩のどこかに理由があることがほとんどです。
まずは「いま、お客様がAIに聞いたら何が返ってくるか」を見ます。同じ質問を各AIに2〜3回ずつ聞いてください。AIの答えは毎回少しずつ変わるので、1回だけでは判断できません。
事業内容・所在地・代表者・創業年・主なサービスが、事実どおりに説明されるかを見ます。「情報が見つかりません」と返ってくる場合も、同名の別の会社と混ざっている場合も、ここで分かります。
お客様は、御社の名前を知らないままAIに相談します。ここで名前が出るかどうかが、AI検索で「選ばれる候補に入っているか」そのものです。聞くときは自社名を入れないのがポイントです。社名を入れて聞けば、名前が出るのは当たり前だからです。
名前が出なかったときは、代わりにどの会社が、どんな理由で紹介されているかを読んでください。AIが挙げる理由(実績の数・専門分野・口コミなど)は、そのまま「御社のサイトに足りない情報」のヒントになります。
PerplexityやChatGPT(検索を使った回答)は、答えの根拠にしたページのリンクを表示します。それを実際に開いて、AIが「どこを読んで」御社を説明したのかを確かめます。
当社自身の例を挙げます。2026年10月の計測で、Perplexityは当社の説明の根拠として、サーバー移転のときに使った古いテスト用アドレスを表示していました。今は正しく開けないアドレスです(詳しくは「AIが自社を間違えて説明する」のはなぜ?で公開しています)。人の目に触れなくなったページも、AIには読まれ続けていることがあります。
ここからは「なぜその答えになるのか」の原因を探します。どれもブラウザだけで確かめられます。
robots.txt は、検索エンジンやAIの「クローラー(情報を集めに来るプログラム)」に、どのページを読んでよいかを伝えるファイルです。ここでAIのクローラーを止めていると、他の対策がすべて空振りになります。
開いたページに、次のような名前と Disallow: / の組み合わせがないかを見てください。
| クローラー名 | 会社 | 主な役割(2026年10月時点の各社の公開情報) |
|---|---|---|
| OAI-SearchBot / ChatGPT-User | OpenAI | ChatGPTの検索・回答のための読み取り。止めるとChatGPTの検索結果に出にくくなります |
| GPTBot | OpenAI | AIモデルの学習用 |
| PerplexityBot | Perplexity | Perplexityの検索・回答のための読み取り |
| ClaudeBot / Claude-SearchBot | Anthropic | 学習用 / Claudeの検索のための読み取り |
| Google-Extended | Geminiでの利用に関する設定。Google検索とAI Overviewsへの表示は通常のGooglebotで決まります |
※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。※クローラーの名前と役割は各社が変更することがあります。
学習用のクローラーを止めるかどうかは、会社の方針で決めてかまいません。問題になるのは、検索・回答用のクローラーまで、意図せず止めてしまっているケースです。また、robots.txt に問題がなくても、サーバーやセキュリティサービスの設定でAIのアクセスを遮断している例もあります。気になる場合は、サイトの管理会社に「AIのクローラーをブロックする設定が入っていないか」を聞いてください。Googleの新しい設定についてはGoogle「Search generative AI control」とは?で解説しています。
Disallow: / が付いていない。User-agent: * の下に Disallow: / がある(=すべてのクローラーを止めている)。制作中の設定が残っていることがあります。デザインのために、サービス内容・料金表・営業時間・住所を画像の中の文字にしているサイトは少なくありません。人には読めても、AIには読み取りにくい、または読み取れない情報です。ページ内検索で引っかからなければ、その情報は画像の中にあります。
同じ理由で、大事な情報がPDFの中にしかない状態も要注意です。料金表やパンフレットをPDFで載せている場合は、要点をページの本文にも書いておきます。
AIは、ページに書かれた言葉から「この会社は何者か」を判断します。トップページの最初に「[地域]の[業種]」と、具体的な強みが一文で書かれているかを見てください。「お客様に寄り添う」「高品質なサービス」のような、どの会社にも当てはまる言葉だけでは、AIは御社を他社と区別できません。
もう1つ気をつけたいのが業界用語や略語です。当社の計測では、「GEO対策」(生成AI検索への最適化)という言葉を、AIが「GEO=地理」と受け取り、地図対策(MEO)の話を始める回答が15回中11回ありました。御社のサービス名がAIに別の意味で受け取られていないか、一般的な言葉での言い換えも添えておくと安心です。
会社概要ページには、次の情報がそろっているかを確かめます。
- 正式な社名(株式会社の位置まで正確に)と、屋号・ブランド名があればその両方
- 所在地(郵便番号から)・電話番号・営業時間
- 代表者名・創業年(設立年)・従業員数
- 事業内容と、対応しているエリア
- 許認可・資格・加盟団体など、信頼の根拠になるもの
AIが「おすすめの会社」として名前を挙げるとき、理由として添えるのは具体的な事実です。たとえば「年間○件の施工実績」「○○の資格を持つスタッフが在籍」「創業○年」。こうした、その会社にしかない情報(一次情報)がサイトにどれだけあるかを見ます。
AIは、ページの日付を見て新しい情報だけを選ぶとは限りません。ネット上に残っている記述を、新旧の区別なく拾って説明に使います。
これも当社の例です。2026年10月の計測で、AIが当社を紹介した84回答のうち32回答が「94%」という数字を添えていました。これは最新の計測値ではなく、2026年1月に発表した古い数字です。過去の記事やページに残っていたため、最新の数字よりも多く使われていました。
御社の場合は、次のようなものが残っていないかを見てください。
- 何年も前の料金表、終わったキャンペーンのページ
- 移転前の住所、変わる前の電話番号や代表者名
- ページによって違う「実績○件」「創業○年」などの数字
- リニューアル前の古いページや、テスト用のアドレス
構造化データは、社名・住所・電話番号・営業時間・事業の種類などを、検索エンジンやAIが取り違えない決まった形式でページに書き込む仕組みです。見た目には表示されません。
Googleの「リッチリザルト テスト」(search.google.com/test/rich-results)にトップページのURLを入れると、どんな構造化データが入っているかが一覧で出ます。「Organization(組織)」や「LocalBusiness(地域の事業者)」が見当たらなければ、会社情報は構造化データで伝わっていません。
AIは公式サイトだけでなく、Googleビジネスプロフィール(Googleマップ)・業種別のポータルサイト・SNS・商工会議所や業界団体の会員紹介なども読みます。そこで社名・住所・電話番号の表記が食い違っていると、AIは同じ会社だと確信できず、説明が曖昧になったり、別の会社と混ざったりします。
- 「株式会社○○」と「(株)○○」「○○店」など、社名の表記がばらばらになっていないか
- 移転前の住所や、使っていない電話番号のままのページがないか
- Googleビジネスプロフィールの営業時間・カテゴリ・説明文が、最新になっているか
あわせて、第三者が御社を紹介しているページ(地域の情報サイト、取引先の事例紹介、新聞やテレビの記事など)がいくつあるかも見ておきましょう。AIは、公式サイト以外での言及も「この会社は実在し、評価されている」という手がかりにします。
10項目のうち、「合格ライン」に届いた数を数えてください。
| 合格の数 | いまの状態 | 次の一手 |
|---|---|---|
| 8〜10 | 土台はできている。AIに見つけてもらう準備は整っている状態 | 月に1回、同じ質問でAIに聞いて記録する。実績やFAQを少しずつ足していく |
| 5〜7 | 一部が欠けていて、AIの答えが安定しない、または情報が不正確になりやすい | 不合格だった項目のうち、④⑤⑧(止めている・読めない・古い)を先に直す。次に⑥⑦ |
| 0〜4 | AIが御社を正しく知る材料が足りない状態 | サイトの土台から見直す。部分的な手直しより、構成から整えたほうが早いこともある |
※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。※この区分は当社が目安として設けたもので、業種や地域の競合状況によって変わります。
直す順番のコツは、「AIが読めない」問題(④⑤)を最初に、「間違って伝わる」問題(⑧⑩)を次に、「選ぶ理由がない」問題(⑥⑦⑨)を最後にです。読めない状態のまま記事を増やしても、AIには届きません。
全部を外注する必要はありません。社内でできることは、社内でやったほうが早くて正確です。
| 項目 | 自分でできること | 制作会社に頼んだほうがいいこと |
|---|---|---|
| ①〜③ AIの答え | 毎月同じ質問で聞いて、スクリーンショットで記録する | 多くの質問・回数での計測や、AIごとの違いの分析 |
| ④ クローラー | robots.txt を開いて確認する | robots.txt やサーバー設定の書き換え |
| ⑤ 画像の文字 | 画像になっている情報を書き出す | デザインを崩さずに文字へ置き換える改修 |
| ⑥ 会社の説明 | 「どこの、何の会社か」を一文にする。会社概要の項目をそろえる | トップページの構成の見直し |
| ⑦ 一次情報 | 実績・数字・お客様の声・よくある質問を集めて書く | 実績やFAQのページの設計・追加 |
| ⑧ 古い情報 | 古いページを洗い出す。数字や住所を最新にそろえる | 古いURLの転送設定、テスト環境の閉鎖 |
| ⑨ 構造化データ | リッチリザルト テストで確認する | 構造化データの設置・修正 |
| ⑩ サイトの外 | Googleビジネスプロフィールやポータルの情報を更新する | どこに古い情報が残っているかの洗い出し |
※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。
なお、「llms.txt を置くだけ」「AI向けの隠し文字を入れる」といった近道は、おすすめしません。AIに紹介されるかどうかは上の10項目の積み重ねで決まり、1つの設定で済むものではないからです。人に見えない形でAIに指示を書き込むような手法は、かえって評価を落とす危険があります。業者選びの注意点はAI検索最適化を依頼するなら|失敗しない業者の選び方にまとめています。
セルフチェックで分かるのは、主に原因の候補です。実際にAIが御社をどのくらいの頻度で、どう紹介しているかは、質問の数と回数を増やして測らないと見えてきません。
当社の無料診断では、ChatGPT・Perplexity・Gemini に御社について実際に質問し、その結果と、上の10項目のどこから手を付けるべきかをレポートにまとめてお渡しします。診断を受けたからといって、当社に依頼していただく必要はありません。
私たちは「順位を売る」ことはしません。提供するのは、なぜその位置なのかを実測で明らかにし、一次情報とLLMO/GEO/AIO対応で根本から改善するお手伝いです。
それだけでは判断できません。社名を入れて聞けば、名前が出るのは当たり前だからです。大事なのは、お客様が社名を知らずに「[地域名]で[業種]のおすすめは?」と聞いたときに名前が出るかどうかです(チェック項目②)。あわせて、説明の内容が正しいか(①)も確かめてください。
そうとは限りません。AIの答えは、同じ質問でも毎回少しずつ変わります。当社が毎月行っている計測でも、1つの質問を各AIに5回ずつ聞き、頻度で見ています。セルフチェックでも、各AIに2〜3回ずつ、聞き方を少し変えながら試してください。
止めたクローラーの種類によります。検索・回答用のクローラー(OpenAIのOAI-SearchBot、PerplexityのPerplexityBotなど)を止めると、そのAIの検索結果で御社のサイトが読まれにくくなります。学習用のクローラー(GPTBotなど)は、止めても検索での表示には直接影響しないと各社が説明しています。意図せずすべてを止めていないかを確認してください。
必ずしも作り直しは必要ありません。会社概要の充実、古い情報の整理、よくある質問の追加、構造化データの設置など、今のサイトのままできることも多くあります。ただし、大事な情報がほとんど画像になっている、スマートフォンで見づらい、自社で更新できないといった場合は、作り直したほうが早いこともあります。
①〜③(AIに聞く確認)は月に1回、同じ質問・同じ手順で行い、結果を記録するのがおすすめです。④〜⑩はサイトを更新したときや、移転・リニューアル・料金改定など会社の情報が変わったときに見直してください。
保証はできません。AIの答えは、AIの仕様変更や競合する会社の状況によって変わります。10項目は、AIが御社を正しく知り、紹介する理由を見つけられる「土台」が整っているかを確かめるものです。土台が整っていれば、紹介される可能性は高まります。
立場について: 本記事は、AI検索対策(LLMO/GEO/AIO)を提供する株式会社ピースカンパニーが執筆しています。チェック項目は、当社に依頼しなくても確かめられるものに限って挙げています。
数値について: 本文中の当社の事例(古い数字の引用32回答、「GEO対策」の取り違え15回答中11回答、古いURLの表示)は、2026年10月12日に佐賀県内・中立質問6問 × 3AI(ChatGPT・Perplexity・Gemini)× 各5回 = 90回答の条件で当社が計測したものです。他の地域・業種・時期での結果を示すものではありません。
クローラーについて: クローラーの名前と役割は、2026年10月時点で各社が公開している情報にもとづきます。各社が変更することがあるため、設定を変える前に最新の公式情報をご確認ください。
合否の区分について: 「合格ライン」と合格数による区分は、当社が目安として設けたものです。
変動性: AI検索の仕組みや各社のポリシーは日々変化します。本記事の内容は執筆時点(2026年10月30日)のものです。

