
― 4つのAIは、そもそも「どこを見て答えているか」が違う。だから「1つのAIで載っていた/載っていなかった」だけで判断すると、足をすくわれる。
「佐賀でWeb制作に強い会社は?」——同じ質問をChatGPTとGeminiに投げても、返ってくる会社名が違うことがあります。これは気まぐれではありません。AIごとに「答えを作るために見に行く情報源」が根本から違うからです。ざっくり言うと、こうです。
つまり、「AI対策」という一枚岩の施策は存在しません。「AIに載る」とは、実際には「複数の別々の仕組みに、それぞれ拾われる」ことです。だからこそ、1つのAIの結果だけを見て「うちはAIに強い/弱い」と結論づけるのは危険——これが本記事の要点です。
「AIに聞いて会社を選ぶ」人は、確実に増えています。
見込み客がGoogleではなくAIに「どこがいい?」と尋ねる場面が増えている——この流れ自体は、多くの調査が指摘するところです。そして問題は、AIは「一覧」ではなく「答え」を返すという点。Googleの1ページ目に10社並ぶのとは違い、AIは数社、ときには1社だけを名前で挙げて終わります。そこに載っていなければ、検討の土俵にすら乗りません。
ここで多くの会社がつまずくのが、「ChatGPTで自社名が出た。だからAI対策はできている」と早合点してしまうことです。後述するように、あるAIで載っていても、別のAIではまったく載らない、ということが普通に起きます。1つのAIは、AI検索という市場の「一部」でしかありません。
エンジン別の話に入る前に、4つすべてに共通する仕組みを押さえます。
多くのAI検索は、内部でおおむね次のような手順(RAG=検索拡張生成と呼ばれる方式)を踏むとされています。まず質問に関連しそうなページを複数集め(=リトリーバル)、その中身を評価し、実際に答えに使う数本を選んで引用(=シテーション)する——という流れです。
ここで決定的に重要なのが、「集められること」と「引用されること」は別だという点です。候補として読み込まれても、最終的な答えに名前が出ないページが大半、という調査もあります。たとえばChatGPTについては、取得したページのうち実際に引用されるのは一部にとどまるとする分析もあります(AirOpsの2026年調査など)。
だから、AI検索で見るべき指標は「検索順位が何位か」ではなく、「AIの答えに名指しで登場するか(出現率)」になります。これを最適化する取り組みが LLMO / GEO / AIO です。
しかも、かつて成り立っていた「Google上位=AIに引用される」という前提は、急速に崩れています。2025年半ばには「Google上位10位とAIの引用が一致する割合」が7割超あったとされますが、2026年初頭にはそれが2〜4割程度まで下がったという観測もあります。従来SEOだけではAIの答えに載りきれない——この構造変化が、いま起きています。そして、その「引用されるための条件」は、エンジンごとに違うのです。
まず全体像から。詳細はこの下で1つずつ解説します。
| AIエンジン | 主に見に行く情報源 | 引用の出し方 | 効きやすい対策の勘所 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | Bingの検索インデックス + 第三者メディアを重視する傾向 |
Web検索が発動したとき、数本を選んで引用 | Bingに拾われる状態にする / 冒頭で結論を言い切る / FAQなど構造化 |
| Perplexity | 毎回リアルタイム検索 (独自のRAG・情報源横断) |
ほぼ必ず検索し、3〜4本前後を明示引用 | 抽出しやすい書き方(定義・数字・比較) / 情報の鮮度 |
| Gemini / AI Overviews |
Google検索インデックス + ナレッジグラフ(エンティティ) |
検索結果の要約として引用リンクを提示 | Googleでの評価 / 構造化データ / E-E-A-T / エンティティ整備 |
| Claude | Brave Search の結果を土台にする傾向 | 少数を厳選し、答えの主軸として引用 | リファレンス級の明快なページ / 明確な出典・根拠 |
※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。※各項目は公開情報・第三者調査に基づく「傾向」であり、AIの仕様変更で変わり得ます。
ChatGPTがWeb検索を行うとき、その土台になるのは主にBingの検索インデックスだとされています。ここから見えてくる実務上のポイントは明快で、Bing側に自社ページが正しく認識されていないと、そもそもChatGPTの引用候補に入りにくいということです。Google対策だけを見ていると抜け落ちやすい観点です。
加えて複数の調査が、ページの前半に置かれた記述ほど引用されやすい傾向や、FAQ形式や見出し構造など「抽出しやすい構造」を持つページが有利とする傾向を報告しています(Authoritas等)。また、自社サイトよりも第三者メディアでの言及(アーンドメディア)を優先しやすいという指摘もあります(トロント大学の2025年のGEO研究など)。
Perplexityは、質問のたびにその場でWeb検索を実行し、必ず出典を明示するのが特徴です。おおむね十数ページを読みに行き、そこから3〜4本前後を選んで引用する、という挙動が報告されています。
リアルタイム検索ゆえに情報の鮮度が効きやすいのも特徴で、公開して間もない記事が短時間で引用対象になり得る一方、古い情報は素早く後退します。引用を勝ち取るには、定義・数字・比較といった「そのまま抜き出せる形」で書かれているか(抽出しやすさ)が鍵になるとされています。なお、リアルタイム検索とはいえ引用先はGoogle検索上位と重なりやすいという報告が多く、この点で「Google系の対策が効きやすいグループ」に入ります(後述)。
Geminiと、Google検索上部に出るAI Overviews(AIによる要約)は、いずれもGoogleの検索インフラを土台にしています。したがって、Googleでの評価・構造化データ・E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)・エンティティ整備が、そのまま引用のされやすさに効きます。会社名・所在地・事業内容などがナレッジグラフ上で明確に認識されているかも、地味ですが大きな要素です。4エンジンの中では最も従来のGoogle SEOに近いと言えます。
ただし注意点として、同じGemini系でも「AI Overviews」と「Geminiアプリ」で引用先が大きく違うという報告があります。「AI Overviews向けの対策」がそのままGeminiアプリに効くとは限らない、という点は押さえておく価値があります。
Claude(Anthropic)は独自の巨大な検索インデックスを持たず、Web検索時にはBrave Search の結果を土台にする傾向が報告されています。引用する本数は他エンジンより少なめで選抜的とされ、その分、1件あたりの重み(=名指しされたときの効果)は大きいという見方もあります。
Claudeに引用されるには、リファレンス(参照資料)として通用する、明快で根拠のはっきりしたページであることが効くとされます。「Claudeに載る会社はChatGPTやPerplexityにも載っていることが多い」という指摘もあり、Claude対応を意識すると全体の質も底上げされやすいという側面があります。
ここまで読むと、次の事実が腑に落ちるはずです。AIごとに引用先は、驚くほど重ならない。
複数の調査が、エンジン間で引用元(ドメイン)の重複が小さいことを報告しています。たとえば査読付きのトロント大学の研究(2026年)では、各AIとGoogle検索とのドメイン重複はおおむね数%〜15%程度にとどまるとされました。別の分析でも、ChatGPTとClaudeで引用ドメインの重複が1割強にとどまる、といった結果が示されています。
これが意味するのはシンプルです。あるAIで自社名がよく出ても、別のAIでは出ていないかもしれない。逆もまた然り。「ChatGPTで確認したから大丈夫」は、AI検索という市場の一角だけを見て安心している状態になりかねません。だからこそ、状況把握も対策も、複数エンジンを横断して行う必要があります。
「引用先の土台」は4つとも違う。でも、「打ち手」の観点では、もう少しシンプルに整理できます。
ここが実務上いちばん大事なところです。土台が違う=引用先が重ならない、という話をしてきましたが、「Googleの評価が効くかどうか」という軸で見ると、4エンジンは大きく2〜3のグループにまとまります。これを押さえると、限られた予算をどこに振るかの判断が一気にやりやすくなります。
つまり戦略は、「Google系3チャネルを構造化+トピッククラスターで一括カバー」+「ChatGPT向けにエンティティ・ブランド言及を別途」+「Claude向けにリファレンス級の明快さ」という組み立てになります。「AI対策」とひとくくりにせず、この陣営分けで考えるだけで、打ち手の優先順位がはっきりします。
エンジンごとに条件は違いますが、「まず全AIに共通して効く土台」と「その上に乗せるエンジン別の勘所」に整理できます。
重要なのは、これらは大企業でなくても、中小企業が今日から着手できる施策だということです。そして、自社が各AIに「いま、どう説明されているか(あるいは、されていないか)」は——実際に測れば分かります。
この記事のとおり、AIごとに引用の仕組みは違います。だからこそ、「複数のAIで実際に確かめる」ことが、現在地を知る唯一の方法です。
まずはセルフチェック: ChatGPT・Perplexity・Gemini それぞれに「佐賀で(あなたの業種)のおすすめは?」と聞き比べてみてください。エンジンによって答えが変わることが、体感できるはずです。
私たちは「順位を売る」ことはしません。提供するのは、なぜその位置なのかを実測で明らかにし、一次情報とLLMO/GEO/AIO対応で根本から改善するお手伝いです。まずは、現状を知るところから。
各AIが答えを作るために「見に行く情報源」が違うためです。ChatGPTはBingの検索インデックス、Geminiや AI OverviewsはGoogle検索とナレッジグラフ、PerplexityはリアルタイムのWeb検索、ClaudeはBrave Searchを土台にする傾向が報告されています。土台が違えば、拾われる会社も変わります。
不十分な可能性が高いです。複数の調査で、AIエンジン間の引用元の重複は小さいと報告されています。あるAIで載っていても、別のAIでは載っていないことが普通に起きるため、複数エンジンを横断した把握・対策が現実的です。
はい、分けて考えると効率的です。Gemini・AI Overviews・PerplexityはGoogleの評価と連動しやすい「Google系陣営」で、SEO+構造化データ+トピッククラスターでまとめて対応しやすい相手です。一方ChatGPTはGoogle順位との連動が弱く、ブランド(エンティティ)の権威性や第三者メディアでの言及といった別軸の打ち手が効きます。ClaudeはBrave系で、リファレンス級の明快さが鍵になります。
基本は、御社の見込み客がよく使うAIです。ただし本記事の「共通の土台」(クロール可能性・構造化データ・一次情報・NAP整合・冒頭結論)は、どのAIにも効くため、まずここから固めるのが効率的です。その上で陣営別の勘所を足していきます。
「ホームページがある」ことと「各AIに正しく認識されている」ことは別問題です。クロール可能性・構造化データ・一次情報・NAP整合などが伴っていないと、サイトがあってもAIには見えていないことがあります。まずは無料診断で、どのAIで見えていないかを確認することをおすすめします。
本記事の数値は、各調査機関・研究の公開情報に基づく執筆時点(2026年7月)のものです。出典を本文に明記していますが、AIの仕様は頻繁に変わるため「傾向」としてお読みください。最新状況は個別にご確認いただくのが確実です。
情報源について: 本記事は各AIの引用挙動に関する公開情報・第三者の調査研究(トロント大学のGEO研究、AirOps、Authoritas、Omnia、Profound、Erlin、Otterly、CiteLens、Trakkr、国内の大規模引用分析ほか各種分析)を整理したものです。個々の数値は各出典に基づき、当社独自の計測値ではありません。特にツールベンダー系の分析値はGoogle等の公式仕様ではなく「観測データ」としてお読みください。
数値の読み方: 記載の割合・傾向は、特定の調査条件・時期における報告値です。質問文・地域・時期・AIのバージョンによって結果は変わります。「傾向」であり、将来の結果や各AIの仕様を保証するものではありません。
変動性: AI検索の挙動は日々変化します。本記事の内容は執筆時点(2026年7月11日)のものです。実際の対策判断にあたっては、最新情報の確認と個別の実測をおすすめします。
