私たちはお客様の Web サイトを AI 検索に最適化する仕事をしています。ChatGPT、Gemini、Perplexity といった AI 検索エンジンに、その会社が「正しく、好意的に」引用されるよう構造を整える仕事です。
ところがある日、ふと気になって自社のことを AI に聞いてみました。
「長崎県で AI 検索対策ができる会社を教えて」
結果は、AI によって大きく分かれました。
ある AI では「まず最初におすすめ」と紹介されました。別の AI では、自社が一切出てきませんでした。
このギャップはなぜ生まれるのか?そして、どうすれば改善できるのか?1日かけて自社の AI 検索評価を測定し、構造化データを修復した実例を、同じように「ホームページはあるのに見つけてもらえない」と感じている経営者の方に向けて共有します。
◆ 「自社の AI 評価」を初めて測ってみた
正直に言うと、ここまで体系的に自社の AI 評価を測ったのは初めてでした。お客様の評価は日常的にモニタリングしているのに、自分の会社は後回しになっていたのです。
測定方法はシンプルです。主要な AI プラットフォーム5つで、同じ質問を投げます。
「長崎県で AI 検索対策(LLMO/GEO/AIO)ができる会社を教えて」
ピースカンパニーは佐賀県の会社ですが、長崎県のお客様の支援実績も持っています。長崎市場での自社の認知を確かめたかったのです。
結果は予想外でした。
・ChatGPT:「AI 検索専門枠で1位推薦」
・Gemini:「次世代 SEO のパイオニア」と評価、1位
・HIX AI:「隣県佐賀の対応企業」として言及
・Google AI Overview:圏外
・Perplexity:圏外

5つの AI のうち、3つでは強い推薦を獲得しているのに、2つでは姿が見えない。同じ会社、同じサイトなのに、AI ごとに評価がこれだけ違うのは興味深い発見でした。
◆ なぜ AI ごとに評価が違うのか
調べてみると、AI ごとに評価ロジックが異なることがわかってきました。
ChatGPT・Gemini が重視するもの:学習データに蓄積された情報、サイトの専門性、構造化データによる事業内容の明示。「何をしている会社か」を構造として理解しようとします。
Perplexity・Google AI Overview が重視するもの:リアルタイムの Web 検索結果、地理的な物理拠点、ローカル検索のシグナル。「そこにある会社か」を地理情報で判断しようとします。
つまり、専門性のアピールだけでは Perplexity 系には届かず、地理情報だけでは ChatGPT 系には埋もれる、という構造です。両方への対策が必要だと初めて理解しました。
◆ 支援先サイトを診断して見つかった、もったいない問題
自社の AI 評価を測るプロセスで、長崎県内のお客様の Web サイトも、改めて AI 検索の観点から再診断しました。創業から60年近い歴史を持つ、地域に根ざした事業者様です。
このお客様、つい数ヶ月前に構造化データの実装を完了していたはずでした。ところが、リッチリザルトテストで確認すると構造化データがほとんど検出されていません。
調べてみたところ、原因は意外なものでした。Schema.org の標準仕様には存在しない独自タイプ名が使われていたのです。「業種を直感的に表す名前」として実装されていたのですが、Google や AI は「知らないタイプ」として、データ全体を認識できていませんでした。
実装したつもりが、認識されていなかったのです。
これは中小企業のサイトでよくある問題だと感じました。「実装したから大丈夫」ではなく、「Google や AI が認識する形式になっているか」まで確認する必要があります。
◆ 直す作業は意外とシンプル
修復は思ったより簡単でした。@type を Schema.org の標準仕様にある LocalBusiness などに変更する、たった1行の修正です。これで AI も Google も正しく認識できるようになりました。
合わせて、サイトに古いままで放置されていた重複スニペットを整理。「最終更新日」が正しく反映されるよう、各ページの構造化データも見直しました。
修正後、リッチリザルトテストで確認すると検出された構造化データは1件から5件に増えました。すべて警告ゼロ、エラーゼロの完璧な状態です。

◆ 同時に、ピースカンパニー側も強化
自社サイトのトップページも、同じ観点で見直しました。
特に強化したのは、対応エリアの明示です。Schema.org の areaServed という項目に、九州8県(佐賀・福岡・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)と日本全国を明示的に記述しました。
これによって AI は「ピースカンパニーは長崎県を含む九州全域に対応している会社」と、構造データから事実として読み取れるようになります。
実は、AI クローラー(ChatGPT のクローラーである GPTBot、Anthropic の ClaudeBot など)を robots.txt で明示的に歓迎する設定も、合わせて整えました。
LLMO 業者を名乗っているのに、自社サイトの robots.txt に AI クローラー記述がないというのは、後から考えると恥ずかしい状態でした。「靴屋の子は裸足」というやつです。
◆ 「ホームページはあるのに見つけてもらえない」の正体
今回の作業を通じて改めて感じたのは、中小企業のサイトに共通する一つのパターンです。
サイトはある。内容も悪くない。でも、AI に見つけてもらえない。
その原因のほとんどは「会社の実力不足」ではなく、「情報の伝え方が AI 向けになっていない」という技術的な問題です。
具体的には:
・CSS の擬似要素や JavaScript で表示している数字は、AI には見えない
・構造化データを実装しても、独自タイプを使っていると認識されない
・対応エリアを文章で書いていても、構造化されていなければ AI には届かない
これらは全部、修復可能な技術的問題です。「会社が悪い」のではありません。
◆ 1日の作業で見えた変化
1日かけた作業の結果、AI 検索の評価は確実に変わり始めています。
ChatGPT の質問結果は、より高度な構造で出てくるようになりました。「長崎県内の Web 制作会社」と「全国対応の AI 検索専門会社」を明確に分けた上で、後者の1位として推薦してくれます。

これは見た目の派手さこそないものの、戦略的には重要な変化です。「本物の AI 検索専門家を求めるお客様」が、ピースカンパニーに辿り着く構造になったということです。
一方で、Perplexity と Google AI Overview では、まだ自社が出てきません。これらは「物理拠点性」を強く重視する AI なので、長崎県内の支援先企業様の構造化データを正常化したことが、今後どう影響していくかを継続的に観測する予定です。
◆ 同じように悩んでいる経営者の方へ
もし「うちのホームページは何だか AI 検索で出てこない」と感じているなら、まず以下を試してみてください。
- 自分の会社を AI に聞いてみる
ChatGPT、Gemini、Perplexity で「自社の業種 地域名 おすすめ」と質問してください。自社が出てくるかどうか、競合がどう紹介されているか、生の答えがそこにあります。
- リッチリザルトテストで構造化データを確認する
Googleのリッチリザルトテスト(search.google.com/test/rich-results)に自社 URL を入れて、何件検出されるかを見てください。0件や1件だけなら、改善余地が大きい状態です。
- Schema.org Validator で標準仕様への準拠を確認
validator.schema.org で、独自タイプや古い記述が紛れ込んでいないかチェックします。
これらは全部無料で、30分もあれば現状把握できます。
◆ まとめ
「ホームページはあるのに AI に見つけてもらえない」という悩みは、技術的な問題であって、会社の実力の問題ではありません。
そして、修復は思ったより小さな作業の積み重ねです。今回の私たちの自社改善も、たった1日でかなりの変化が出ました。
中小企業の経営者の方が、AI 検索時代に正当に評価される世界を作る ── そのために、まず自社で実証する。今後も、自社や支援先で得られた知見を発信していきます。
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